「小さい皿に大きく盛る」立ち呑みの流儀、画像解説ともいおうかなあ。「立ち呑みの流儀」の補完。 |
豆もやし、150円くらいかなあ。 立ち呑みの流儀 巻10より 引用 立ち呑み「小皿」 酒屋の立ち呑みで以外と目立たないのが皿。それもそのはず、関西以外では、酒屋の立ち呑みでの煮炊き物の提供は稀。従って皿の必要はない。先ず、最もシンプルな店は「ピーナツ」や「味付け海苔」に乾き物だけの店。皿の必要はさらさら無い。次にソーセージや、一口パックの「うにくらげ」「にんにく」「ラッキョウ」などを提供する店。だが、古典的な酒徒は宇和島のじゃこ天や竹輪、煮抜き等を好む。こうなるとそのままテーブルに置くわけにゆかない。皿を出すのは大げさだし、煮炊き物を出しているようで具合が悪い(関西以外の地では、酒屋の立ち呑みの飲食店まがい行為はご法度)そこで店は考えた挙句、10cm四方に切った西洋紙(ザラ紙、まっ白いコピー用紙はそぐわない)に載せ爪楊枝を添えて出してくれる。 だいたいこんな感じだが、関西の場合は違う。居酒屋並いやそれ以上のいいアテを出してくれる。その店独自の味付けは見るべきものがある。従って料理を盛る皿が必要になる。ある店は全てブリキ皿で提供。これも潔く本格立ち呑みらしい。へこみや変形がいい味を出す。落ちても割れず、洗うのも簡単。煙草の火で焼ける事も無い。だが、大方の店は焼き物の器を使う。高級な料亭や割烹は磁器。大衆居酒屋は、厚ぼったい民芸風陶器を何故か喜んで使う。我が愛する酒屋の立ち呑みは、大衆食堂の使うような家庭用の陶器を使う。だが、ちょっと待てよ。大衆食堂の皿とはいささかの違いがある。これは余程注意して見ないと見えてこない。 では、その違いを示そう。大衆食堂の小皿は、さびれた町の二流百貨店の食器売り場にある一枚120円の「一見高級に見える安物」。これに対し本格立ち呑みの皿は大都市周辺の町、ここの秋祭りにどこからともなくやって来る有田陶器市風の出店。ここにある2枚120円の「安物風だが、いい感じの安物」。こんな小皿を毎日使う。 味のあるいい店ほど小さな欠けや、ひびがあっても捨てず使う。一方料亭や割烹は割れ、欠けはご法度。酒屋の立ち呑みでは、小さな傷はむしろ勲章。 さらに話を進めよう。酒屋の立ち呑みでは、皿の盛り付けにも特徴がある。すなわち、こうだ。料亭や割烹は「大きな皿に小さく盛る」。これに対するに酒屋の立ち呑みは「小さな皿に大きく盛る」。狭いカウンターにアテをズラリ並べるので小さい皿がいい。さらに酒徒のハートをくすぐる意味でも皿からはみ出すくらいがいい。後片付けさらにしまっておくにも重宝とくる。理由がお分かりいただけたことと思う。出された料理だけでなく、それが盛られた皿に目を凝らそう。安物の皿ではあるが、その店の流儀がじんわりと、見えてくる。 ■2枚の写真は、十三西の立ち呑み名店「酒のイマナカ」 今日写したほかほか写真。 おでん、2品で160円くらいじゃろう ●人気ブログランキング ジエンキングさんも クリック、宜しく、哀愁世界へ。 人気blogランキングへ テレビ、「クイズベタな世界」。 嫌いな品のない言葉、いやじゃなあ。 キレルやら、ああ、いやな言葉 |
by tatinomi1
| 2005-10-19 23:29
| 立ち呑み名店
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