◎「山吹色の酒」西条の雄、賀茂泉。 |
この前の、夢幻のような広島駅前 名店「やよ福」での酒。 熱烈なる「やよ福」フアンといい酒。 初対面のゾウアザラシさんに貰った 至高の一本。 郷土愛から選んだ、酒どころ西条の銘酒。 なかでも「マニアックな一本」。 ◎広島といえば明治44年に始まる 「清酒鑑評会」初期、金賞総なめの 名だたるエリア。灘がボイコットした年もあるようだ。 だが、「上善如水」に代表される水のようなすっきり酒 に押され、ちと、分が悪い。 コテンパンに酷評された「甘口」酒の メッカ広島。ワイは、大分は国東の西の関を飲んで育ったので どちらかといえば、ベースは「甘口」 ◎「あーーら、フルーティねえ」に代表される すっきり大吟醸も素晴らしいが、 この路線、間違うと、甲類焼酎まで突き進む。 九月九日重陽の節句。 日本酒はこの日から燗をつける しきたりになっている。 (ワイの燗酒好きは、この日が誕生日のせいか ありがたく頂き、開ければ、おお。 「山吹色の酒」先ず、ネーミングがいい。 ラベルも見事。 ■おお、いい輝き。 室温から、少しずつ温度を上げ 最高に旨いポイントを探るが 「室温」がベスト。 作為のない酒には 無作為で対峙するのが 礼儀かとも。 グラスも薄手でなく 厚手が合う。 粘りある感じ。こんもり「盛り上がる」。 なんとも奇麗。 どうして、日本酒本来のこの色を 取り除くのだろう。 ◎味は、おお、「玄妙なり」 日本酒入門向きの「すっきり、フルーティ」の逆。 「渋い枯淡」・・・枯れた甘口。 能書きによれば、三段仕込みの吟醸を活性炭濾過なしに 土蔵常温で2から3年寝かしたとある。 醤油を薄めたように濃い古酒を売り物にする蔵fがあり この手の古酒もいいが、 古酒らしくなるような造りで、あえて古酒化を加速する 貯蔵方法で造るようだ。いわば、作為の古酒もあるようだ。 ■わが最愛の脇元酒造「明日香京 三年古酒」 冷蔵の貯蔵庫に斗瓶保存。社長の悩み なんぼ置いても古酒らしくならん。 明日香川原流水のせいで、劣化がないのかなあ。・・・と。 ◎この味を評して◎ 味の「二層分離」の快楽。 一杯で二度旨い。 オブラートで薬を飲むと、あとで薬が舌をなでるような。 そう、飴のなかにジャム状の別の飴を 詰めたもの。途中で、味がかわる。 はじめ枯淡のじんわり味。 そのあと「弾けるように」 新鮮な、 西条酒独特のコクと深み。 一杯で二度旨い不可思議。 さすが、地元の酒飲みの通に 向けた酒であろう。 吟醸入門者には「キワモノ」に思える 大変難しい酒ではないだろうか。 これこそが文化であり洗練であり伝承。 至高の「賀茂泉」バンザイ!お見事!参りました! 圧倒されたんでアテは 「アイゴの丸ごと塩辛」 (西条酒といえば、大阪駅の次、塚本の立ち呑みで飲んだ賀茂鶴) ☆おお!10位!嬉しい。 ■人気blogランキングへ クリック宜しく お読みいただいてありがとうございます。 これからも立ち呑み漂流、宜しくお願い申しあげます。 素朴で真摯な「日本一小さな酒蔵」の日常日記 「地霊の酒」復権友の会推薦BLOG 明日香の霊力の蔵 |
by tatinomi1
| 2007-09-14 06:54
| 日本の国酒
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Comments(4)
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遊星ギアのカズ
at 2007-09-14 11:19
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ただ酔うためだけに強い酒を飲んでいた。
酒を飲むことだけが、周囲に対しての自分の存在証明だった。 荒んだ飲み方だった。それを改めてくれたワイン酒場の店主。 「お酒は大事に飲んであげましょうよ。ワインなら白からはじめ、 次に日本酒を飲まれたらいいですよ。」 その言葉を守り、偶然手にした日本酒は「賀茂泉」。 エキス分たっぷり、酸味さえも感じ、独特の風味。 日本酒のマイナスイメージを打破する、私にとって開眼の酒。 一時期は「賀茂泉・朱泉」ばかり飲んでおりました。 思えば、35年近くも前のこと。以来、日本酒の世界を放浪しております。 それでも、結局のところ落着く先は、我が地元。広島の西条よりもっと濃い味わいの瀬戸内の酒。 醸す杜氏は近所の町の安芸津杜氏。 甘味の強い味付けの魚介を肴に飲む酒の、なんと旨いことか。 西条酒は全国的には賀茂鶴、地元では白牡丹と一般的に言われているようです。泉はそれらを追っている。 名古屋の「大甚」という居酒屋で飲んだ賀茂鶴の樽酒。これは旨い。 広島であれを出してもらえると、愛飲者は増えるのになあ…
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ゾウアザラシ
at 2007-09-14 13:54
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コメントを入れるのが恥ずかしくなるくらい、素晴らしい記事をUPして頂き感動しております。
hakudouさんに飲んで頂いて、このお酒も嬉しかったことと思います。 ありがとうございました。 気の利いたコメントが出来なくて申し訳ございません。
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tatinomi1 at 2007-09-15 05:34
遊星ギアのカズさんお久しぶりです。賀茂鶴に賀茂泉。
本当に味わいの酒。甘辛い味付けには濃醇な酒が 似合いますね。私の酒の原点、西の関も 法事の甘辛い厚揚げと一番相性がいい。 本当に酒の好みは人さまざま。 「舌先の味」だけでは語れない、深いものがありますねえ。
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tatinomi1 at 2007-09-15 05:39
ゾウアザラシさん。本当にステキな酒
ありがとうございました。 酒との出遭いは、人間との出遭いに似て 出会うべくして出会う不思議があります。 「山吹き色の酒」、素晴らしい出遭いでした。 「明日香京 三年古酒」も三年間 じっと瓶の中で出番を待ち、やよ福の 素晴らしい方に飲んでいただき 「酒の本懐」でしょう。 どうも、これが最後の一本だったようです。 |
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